白いジャージ ~先生と私~
まだ世の中の矛盾や、人の裏切りを知らなかった純粋な 小学校の4年生の私は、その夏初めて 信じることの辛さを知った。


来ると約束してた参観日に、お父さんが消えた。

お父さんと言っても、血は繋がっていない。

未婚の母だった私のお母さんの彼氏だった人。


幼稚園の時から、家に住むようになり、いつの間にかお父さんだと思ってた。

本当の娘のように、愛してくれるお父さん。
初めて父の愛を感じた私は、この幸せが、永遠に続くと思ってた。



あの夏の、日曜参観の日。

何度も後ろを振り向いて、お父さんの姿を探したけどお父さんを見つけることはできなかった。



あれっきり。



なんの連絡もない。


きっと

私のことなんて

忘れてる。




思い出すこともなく。
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