白いジャージ ~先生と私~

むくれた顔して、宿に向かうバスに乗る私を

ゆかりと依子は笑う。


「恋してるねぇ~!」

って。


「ゆかりだって、依ちゃんだって・・恋してんじゃん・・」

と言い返したその先の先に

見覚えのある背中。


後ろのバスに生徒を乗せる先生が見えた。


なんだか遠くに感じる。

不思議な気持ち・・・



みんなのヒーローみたいな・・

私だけのあの甘えたな先生じゃないみたい。



バスが動き出し、私は一人窓の外の景色を眺めてた。

もう暗くなりそうな空は

雲が真っ直ぐで、空が割れているように見える。


あぁ・・私と先生の間にある溝だ・・


なんて・・落ち込む私の目に


映ったのは・・


隣の車線を走る先生のクラスのバス。


せっかちな運転手さんに感謝するよ。


私達のバスを追い抜かそうとする先生のクラスのバス・・


先生が一番後ろの席で


じっと私を見てた。


先生!!!


窓から先生の元に飛んでいきたいと思った。

先生の膝の上に座りたいと思った。


先生・・・

遠いよ・・



曇る窓ガラスに先生が・・


ハートマーク・・



書いてくれた。



誰かに見られてたらどうすんだよね・・

こんなにたくさんの人がいるのに・・


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