白いジャージ ~先生と私~

20分後、先生は本当に私に会いに来てくれた。

でも、それは『教師』としての、家庭訪問だった。



家のチャイムが鳴り、玄関でお母さんと先生が話してる声がする。

さっきまで泣いていたお母さんは、きっと先生の訪問に驚いて急いで涙を拭いたはず。


「直~!新垣先生が見えたわよ!!」

私は、パジャマ姿のままリビングへ先生を案内した。


先生は、珍しくスーツを着ていて・・・

今まで見たことないくらい素敵だった。



お母さんが紅茶を入れに台所へ行った時、先生の耳元で囁いた。


「せんせ・・・キスして・・」

先生は、真っ赤になって

「バカ!!!」

って私のおでこをつっついた。



突然の家庭訪問の理由を説明する先生。

最近、直さんが元気がなくて心配していたんです、と切り出した。


さすが、教師だなぁなんて感心する。

お母さんは、途中から涙を流しながら先生に話をした。


「この子は・・・ずっと苦労してきて・・・申し訳なくて・・」


先生は、カウンセラーのような穏やかな口調でお母さんの心の中の塊をほぐしているようだった。

「直さんは、真っ直ぐで優しい良い子です。お母さんの愛情のおかげだと思います。」


紅茶を飲み終わると、先生はお姉ちゃんに挨拶がしたいと言った。


予想外の展開??

正直、お姉ちゃんに会って欲しくなかった。

先生にひどいことを言うかもしれない。

そう思うと、お姉ちゃんが眠ってることを願った。

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