綺麗になんてなれない
深く吐いて、吸って、しばらく止まってを不規則に繰り返す。まるで、嗚咽をこらえて、その隙間に酸素を取り込んでいるみたいな。
はっと注視してみれば、義之の肩が震えていた。一滴、熱いものが私の胸に落ちた。
「義之……」
びくっと全身を揺らして、義之は私の上に落ちた雫を慌ててこぶしで拭う。
「ごめん……」
待ち望んだ謝罪。でもこれは、無理やり行為を進めたことに対してではない。
無様なところを見せて――ごめん。
音にはならなかったけれど、私の耳には確かにそう聞こえた。なんだそれ。
「ごめんとか、いらない」
淡々と、彼の謝罪を切り捨てた。
「ごめ……だよな。さんざん好き勝手して、今さら……」
「ちがう」
私は自分の目尻に滲んでいた涙を強く拭った。
そしてほとんど乱れていない義之の衣服の襟元を掴み上げた。勢いのまま、力づくで態勢を入れ替えて、彼の体をシーツに押し付ける。
ぐっ、と義之がかすかに呻いたが、顧みる気持ちなどなかった。
張り詰めた風船を針で突かれたみたいに、急速に沸点に達した私の頭は、もう、内から流れ出すものを止めることなんてできなかった。隠してきた感情が、荒れ狂う濁流となる。