教えて、春日井くん



「春日井だろ? アイツ絶対遊びじゃん」


……ウブウブ言いすぎると振られるって兄には言われた。
その問題とは別として、春日井くんが遊びだとは思わない。


「なにも知らないのにそういうこと言わないで」

「マジで御上さん、春日井なんかにのめり込んでんの?」

ギョッとした顔をして、またおかしそうに笑いだす。失礼すぎるので立ち去りたい。

春日井なんかってなんだ。なにも知らないのに勝手に決めつけないでほしい。



「アイツはマジでやめといたほうがいいって。捨てられるよ」

「遊びでもねーし、お前になんてあげねぇよ」


割って入ってきた春日井くんが私の腕を掴んで、男子から遠ざける。

いつもニコニコしていて、私の前では照れたり動揺している表情を見せる春日井くんが、こんなにわかりやすく怒っているのを初めて見た。




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