Young days
初日の疲れもあり、伊織は夕飯も食べずそのまま寝落ちしてしまった。母は部屋まで呼びに来たが、そっと電気を消してドアを閉めた。


翌日、早朝に目覚めた伊織はキッチンに向かい水を飲むと、ぐっすり眠れてしまった自分に呆れ、思わず笑った。きっと、眠れなかったであろう流唯の事を思うと情け無い程やり切れない気分だった。すると、波乗りの準備をしていた父が声を掛けた。


『えらい早起きね?』


『あぁ、昨日いつの間にか寝ちゃってて。』


『お腹空いて目オープンってか?』


『喉渇いただけ…。』


『昨日の残りならママが冷蔵庫に入れてたから、それ食べたら?』


『うん。後であっためる。』


『久々にどう?一緒に。』


父は娘を波乗りに誘った。


『………うん。…行こうかな。』


父は嬉しそうに先に海へ向かった。

伊織は着替えを済ませて外に出た。


久々の波乗り。楽しかった。
顔が真っ黒の焼けるのが嫌で、高校に入ってからはほとんどサーフィンをしなくなっていた伊織。

無心になれる波乗りが今の伊織には1番必要だったのかもしれない。

ほんの僅かな時間でも価値あるサーフィンだった。

一旦家に戻り、シャワーを浴びると、一緒に行きたかったと嘆く母のおにぎりを3つも食べた伊織。満足そうにおにぎりを頬張る父。

そして、休む間もなく伊織はolu'oluへと向かった。

その日、誰よりも早く来ていたのは流唯だった。

流唯が来ている事、いつも通りの流唯が居た事…秀晴以外の全員がホッとした朝のビーチ。
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