Young days
『……告る…?俺なんかが…?そんなの、相手にされる訳無ぇ〜じゃん。そんぐらい、みんな分かってんだろ?…ただ、ただ会いたいって…そんぐらい思ったって…。』


悲しい程に笑った流唯の顔がオレンジ色に染まるビーチと波の音で切なさを増した。


『お疲れッ!』


そう言ってビーチを去った流唯を誰も追う事が出来なかった。伊織は2〜3歩出た足を止めた。


流唯の抱く莉乃への"好き"は、どちらかと言うと憧れに近いものだと思っていた七琉美達…それぞれに罪悪感にも似た感情が生まれた。


『…流唯、明日も来るかな?』


『…来るよ。流唯にとってお盆までは毎日がチャンスなんだから。』


『…うん。』


そう言って優月と果奈は帰って行った。


『どうする?海、残りたい?』


衣千華は伊織にそう問い掛けた。

何も答えない伊織。


『伊織が残りたいなら…置いてく。でもね、莉乃さん来ちゃうよ?』


『……帰る…。別に、莉乃さんに会いたくない訳じゃない…。でも今、もし莉乃さんに会っちゃったら…流唯に、一緒に待とうって…言ってあげられなかった事…絶対後悔するから…。』


衣千華はそっと伊織の頭を撫でた。


『私も…。帰ろ伊織。』


2人が歩き出すと、七琉美も一緒にビーチを出た。


『じゃ。』

『じゃ。』

そう言って別れた3人…。


伊織は家に入るとそのままシャワーを浴びた。部屋に入ると、カーテンの隙間から流唯の部屋の窓を覗いた。流唯の部屋は閉められたカーテンから明かりが漏れていた。

"今、何を想う?"

伊織は心の中で流唯に問い掛けた。
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