無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

この柊木善という人間は思ったことをとりあえず口から出すタイプの人間らしい。

……こんな調子で善の流れに身を任せていたら、もしかしたら私あっという間に心を溶かされて善のことしか考えられなくなってしまうんじゃないの……?


私はそんなことをまだボーッとする頭で考えていた。


ガラッーー。

音を立てて突然開いた脱衣所のドア。

同時に移した私と善の視線の先には……目を大きく見開いたお母さんがいた。



「どう、したの……?」



明らかにおどろいた様子のお母さん。

そりゃそうだ。
同居してる友人の息子の胸に自分の娘が寄りかかっているんだから。

とてもまずいところを見られてしまったーー。


焦った私は一瞬の間にどうしたらいいのかを考えた。

まだ付き合ってることはバレてはいけない。
せめてもう少し経ってからじゃないと、真剣さも伝わないと思う……。


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