無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
とりあえず、善とお父さんが和解してくれて本当によかった。
それから3日後ーー。
善の両親はアメリカへと行ってしまった。
空港までお見送りをして、そのときにも「凛李ちゃん本当にありがとう。善をよろしくね」と、改めてお礼を言われてしまった。
善親子のプチ騒動が終わり、私たちは再び通常の生活に戻った。
私は塾通い、善はバイトで、デートをする時間はほとんどなかった。
気がつけば蒸し暑い季節になりーー善と過ごす2度目の夏がきた。
7月半ばですでに命の危険を感じるほどの暑さ。
「お邪魔しまーす」
土曜日のお昼過ぎ、瑠月が刀夜くんを家に招いたみたいで、自分の部屋からも刀夜くんの声が聞こえた。
善は朝からバイトでいなくて、お母さんは買い物に行ってしまった。
となりの部屋といっても、特に声が聞こえるわけでもない……こともないのが現実。
話し声までは聞こえないけど、キャッキャとイチャイチャしているであろう瑠月の声はかなりの頻度で聞こえる。