壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
一人前の剣士になるために
「これから寝食を共にする三番隊の隊士だ。
三番隊が出動するときはお前も一緒に行くことになるから、顔触れを覚えていくように。」

斎藤先生に紹介され、私は三番隊に正式配属となった。

「杉崎快です。
皆さんの足手まといにならないように早く一人前になります。

よろしくお願いします。」

「今、空き部屋がないから…
俺と同室ね。」

組長以外はひとつの部屋をふたりで使っているらしいのだが、今すべて埋まっているらしく、私はまさかの斎藤先生と同室になってしまった。

けれど、ここで下手に動いたら私が女であるということがばれてしまいそうで、女だと知っている斎藤先生と一緒の部屋のほうがいいのではと思うことにした。

「はい、わかりました。
斎藤先生の部屋の片隅をお借りします…」

「それと、これ。
お前のだんだら羽織と着物、袴だから。
だんだら羽織は出動するときは必ず着用すること。

血とかで汚れたら、自分で洗うように。」

私は予備を含め、3枚のだんだら羽織と着物、袴を受け取り、斎藤先生にお辞儀をした。

「あと、お前はまだ一人前の隊士じゃないから真剣は持てない。
それがここの規則だから。

組長が一人前と認められれば、真剣を持つことができるようになるから、それまでは自主稽古用の道場に刃引きされた刀があるから一本持って行っていい。

早く一人前の隊士になりたければ、道場で自主稽古をつむことだ。

俺も時間があるときは稽古をつけてやる。
あと、沖田や永倉にも稽古をつけてもらうよう頼んどくからさぼるんじゃねぇぞ。」

その言葉を聞いた私は『斎藤先生に恩返しができるよう早く一人前になる』と心に決めた。

そして、他の三番隊の隊士たちは新入隊士に組長が稽古をつけると言っていることに対して驚いていた。
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