イノセント ~意地悪御曹司と意固地な彼女の恋の行方~
えっ。
萌夏の動きが止まる。
遥がいない以上雪丸さんが勝手に入ってくるはずはないし、セキュリティーの厳重な高級マンションに泥棒が入るとも思えない。
可能性としては仕事に行ったはずの遥が途中で帰ってきたのかも。
一昨日まで風邪で寝込んでいたし、風邪がぶり返したってことも考えられる。
パタパタとスリッパの音をたてて近ずく足音。
なんだか遥とは違う気もするけれど・・・
自分から出ていく勇気もないまま、萌夏はリビングのドアが開くのを待った。
「あら」
ほどなくドアが開き入ってきた中年の女性が、萌夏を見て驚いた声を上げた。
もちろん萌夏の方も、突然のことに声が出ない。
「ごめんなさい。驚かせたわね」
先に話しかけたのは女性の方だった。
「いえ」
きっとこの人は遥の知り合いで、それも合鍵を渡すくらいの身近な人。
であれば、いきなりパジャマ姿でいた萌夏に驚いたのは相手の方だと思う。
遥だって同居している人間がいるなんて話していないだろうし。
「とりあえず、座りましょうか?」
「え、ええ」
誰の家なんだよと思うくらい女性のペースで、ソファーに向かい合って腰を下ろした。
萌夏の動きが止まる。
遥がいない以上雪丸さんが勝手に入ってくるはずはないし、セキュリティーの厳重な高級マンションに泥棒が入るとも思えない。
可能性としては仕事に行ったはずの遥が途中で帰ってきたのかも。
一昨日まで風邪で寝込んでいたし、風邪がぶり返したってことも考えられる。
パタパタとスリッパの音をたてて近ずく足音。
なんだか遥とは違う気もするけれど・・・
自分から出ていく勇気もないまま、萌夏はリビングのドアが開くのを待った。
「あら」
ほどなくドアが開き入ってきた中年の女性が、萌夏を見て驚いた声を上げた。
もちろん萌夏の方も、突然のことに声が出ない。
「ごめんなさい。驚かせたわね」
先に話しかけたのは女性の方だった。
「いえ」
きっとこの人は遥の知り合いで、それも合鍵を渡すくらいの身近な人。
であれば、いきなりパジャマ姿でいた萌夏に驚いたのは相手の方だと思う。
遥だって同居している人間がいるなんて話していないだろうし。
「とりあえず、座りましょうか?」
「え、ええ」
誰の家なんだよと思うくらい女性のペースで、ソファーに向かい合って腰を下ろした。