サプライズは素直に受け取って。
そういえば、玲央さんってば"百合さん"って呼んでたけど…お知り合いだったの!?
もしかして、また……?
でも、年齢的に考えるとご両親のどちらかとご兄弟ってところかな。と徐々にだが状況把握の為に頭が戻ってきたらしく妄想モードに入りそうになった。
 
「四季ちゃん、乾杯しようか?
 たくさん聞きたい事があるのは良く判るけど、まずは食べよう。」

どうやら、百面相をしていたらしく、そのようなジェスチャーをされた。

「はい。
 今日はお誘い頂き、ありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそ、ありがとう。
 四季ちゃん。
 お誕生日、おめでとう。」
「えぇ!!!!」

グラスを少し掲げて"乾杯"と言おうとした、 その刹那ーーーー。
信じられない事を言われた。

「合ってるでしょ?
 僕は……今日は純粋に四季ちゃんの誕生日を祝いに来た。
 だから、四季ちゃんもそのつもりでいてね。」

「・・・。」
固まっている私のグラスに"乾杯"と言って、彼の持っているグラスが当たる。
少しずつ、大きくなる心臓の音と胸の高鳴りに気付き動揺してしまう。
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