サプライズは素直に受け取って。

渡されたのは、赤ちゃんを抱っこしている若い看護師さんらしき女性が写る写真。
その若い看護師さんと思われる女性に指を指して母に聞く。

「え?何よ?怖いわね~
 あら、やだ?この子が気になるの~
 この子がさっきまで話してた、新しく入ったくれた看護師さんよ!可愛いでしょ~
 全く、私の話を聞いてなかったの?
 本当に良い子でね~「なまえは!?!?」

「え?なに?」
「いいから名前!!
 早く教えて!!
 知り合いに似てるんだよ!!」

母が勿体振ってなかなか教えないのにイライラしてしまった。
普段より、声は大きいしキツかったと思う。
焦った僕は母の言葉を遮った。

「全く、怖いんだから~
 彼女の名前は、まの しきちゃんよ!
 ふふふ。それで?
 "知り合いの子"と名前が同じだった?」


やっぱり、君は僕の女神だったんだ。


正直、その後の母の話は覚えていない。
それどころじゃ無かったもので。母から半ば奪うかたちで四季ちゃんの写真を貰い、朱莉さんにメッセージを送る。
早く会わせて欲しいと。

『来年の12月なら良いわよ。』と、朱莉さんは未だにお預けをさせるらしい。


君の為なら何年でも待てる。

幾らだって、君の為なら時間を使うのは簡単なこと。

***
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