サプライズは素直に受け取って。
12月×日 日曜日 11:40
約束の時間が過ぎてもまだ二人の姿が見えず、スマホが手離せない。

カランカラ~ン
開かれたドアを見つめ今すぐにでも抱き締めたい感情を押さえる。
待ちに待った彼女が来たーーーー。

待ち焦がれた君が今、目の前に来たーーーー。
(やっと、会えた。)

「あっ!いたいた!
 おまたせ~」

真野さんが僕に気付いて声をかけながら手を振ってきたので、瞬時に立ち上がり会釈をする。

やっと会えた気持ちが抑えきれず、ふたりの方へと歩みよろうとした瞬時ーーーーー。

四季ちゃんは、ダッシュでお店を出てしまったーーーーーーーーー!!

(え!?それは駄目!!絶対だめだから待って!!)

真野さんも四季ちゃんの行動が予想外だったのか、口をあんぐり開けて身体が固まってしまった。

(しまった!逃げられる!!)

「悪い。後追いかけるから!!
 真野さんは何か好きなの食べて帰って。
 支払いはこれで。」

適当にお札を財布から数枚抜き取り、テーブルに置き、真野さんを店内に置いてきぼりにして四季ちゃんを追いかける!!!!!!

「頑張って~
 せっかくだからチョコレートパフェでも頂くわ~」と真野さんはいつものように余裕を見せてくれて感謝した。

(ありがとう。絶対捕まえるから。安心してチョコレートパフェを食べてください。)
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