サプライズは素直に受け取って。

百合さんは涙を拭い、いつもの明るい表情に戻り席を案内すると言うのでそれに従う。

「身体が冷えきってるわね。
　雪は降らないみたいだけど、最近は本当に寒さが本格的になってきたわね。
　暖かいお料理、準備出来てるからまずは食べて。」

百合さんのご厚意にあやかり、まずは食事を頂く事にする。

「四季ちゃん、お酒は？」

「はい。少しだけでしたら。」

今日の予定を立てる時に真野さんに四季ちゃんはアルコールは強いのか聞いたところ、真野さんと正反対に彼女はお酒が弱いらしい。
なので、アルコール度数の低い甘めのシャンパンを百合さんにレストランの予約の際にお願いをしていて、秀さんに無事に用意が出来たと連絡を貰っていた。

「それじゃ、シャンパンにしようか！
　アルコール度数の低い甘めのおすすめのがあるんだ。
　百合さん！お願いします。」
「は～い」

四季ちゃんは一人何を考え何かの結論に達したのか、いきなり顔を真っ赤にし、周りをキョロキョロ見渡し始めた。
(もしかして、自分の世界に浸り始めた？)

恐らく、僕と百合さんの関係を一人で妄想してたのだろと気付いたがまずはその前に。

「四季ちゃん、乾杯しようか？
　たくさん聞きたい事があるのは良く分かるけど、まずは食べよう。」