サプライズは素直に受け取って。
僕たちが食事を食べ終えたのを百合さんが気付いてくれたので、テーブルの上は綺麗に片付けられ、あとはデザートを待つだけとなった。
心拍数がどんどん上がっていくのが分かり、心臓の音が漏れているのでは？と不安になる。
この緊張感を出して四季ちゃんを怯えさせないよう、言葉を選びながら話していく。

「次はいよいよ、デザートだね。
　ちょっと緊張してきたけど僕は四季ちゃんにだけは約束を守る男だから、良く聞いて欲しい。
　四季ちゃん、これは僕からのお願いだけど、どこか別の世界に行かないでちゃんと聞いて欲しい。」

緊張のせいか、声が少し震えた。

「はい。
　しっかり聞いてますので、宜しくお願いします。」

そう言うと深々と頭を下げた四季ちゃん。
そんなに畏まらないでと思うほどに丁寧にお辞儀をされてしまった。

「四季ちゃん。頭を上げて。
　いくつか、びっくりさせると思う。
　ついていけなくなったら聞き返してね。」

にこっと微笑んでくれた彼女の笑顔に目を瞬かせゴクリと唾を飲む。
緊張感。
後ろ向きの考えが過り、絶望感を味わいたくない恐怖感。
今まで強引に進めて彼女の意志がそこにあったのかと考えると罪悪感が過る。
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