サプライズは素直に受け取って。

着替えを済ませた私はとぼとぼとリビングへ向かうと、没収されたスマホとクッキーとお水がテーブルに置いてあり、こっちへこいと右手でソファーを指差す彼。
自分がしたことの重大さに気づき始め、目を合わせづらい。
先ほど、私が掛けたお湯で濡れたらしく彼もお着替えを済ませ髪の毛が半乾きになっている。
彼とはもちろん、工藤 玲央に他ないが。。。

「四季?
 良く考えて。
 体調を崩して明日の式に行けなくなっても知らないからな?
 そうなって悲しい思いをするのは四季だけじゃないんだぞ。
 朱莉さんだって悲しむ。
 四季と朱莉さんだけじゃないぞ。
 式を主催した全員と招待客全員が悲しむ。
 そんな事したくないだろう?
 それに四季は大役があるんだし、自分の体調をコントロールしないとどうなるか分かるよな?」

「うっうん。
 ごめんなさい。
 土曜日になっちゃうと、身体が勝手に動くというか。
 色々考えると良くないって分かったから今日でお開きにしました。。。
 玲央くん、心配してくれてありがとう。」

明日は姉と姉の婚約者である山田司さんとの結婚式。
色々悩んで話し合ったけど、バージョンロードを一緒に歩いて欲しいとの新婦の希望を叶える為に家族を代表してこの大役をする決断をした。

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