サプライズは素直に受け取って。

小さなクリニックでアットホームな雰囲気に包まれ此処でも私はぬくぬくと過ごす。
だからかな。姉との差が開いてしまったのは。
姉は大手商社で働く…まあ、所謂バリバリのキャリアウーマンというやつだ。
月曜日から金曜日まで都会でのまれ"社会人とは何なのか"を知り尽くしているに違いない。
だからこそ、比べる方が間違えているのだ。

「先生、おはようございます。
 いつものお薬切れちゃって、頂きにきました。
 それでね~主人が最近また物忘れがひどくなったんじゃないかって気になって~…」

どうやら、診察が始まったらしくいつも通りに挨拶と共に世間話が始まる。
このクリニックにはもう一人看護師がいて、午前中は大先輩の田島さんが先生に付き、午後は私が先生に付く。
田島さんは60代半ばでフルタイムで働くのが難しくなり、平日は午前の診察で帰宅する。
土曜日は元々午前のみの診察だ。
私の大好きな大先輩であり師匠である。

私の日常は平穏そのものだった。
それで満足してたのに。。。
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