サプライズは素直に受け取って。
この場から早く移動をして、駅へ行き交う人の目から逃げたい一心で腕を掴まれているのを振り払う事をせず、黙ってついて行く事にした。

「姉は今日は?」 
変な日本語になってしまった!!

「来ないって言ったでしょ。」
「・・・。」

やはり、姉は来ないのか。
変な緊張感に気付きたくないが、別の事に集中しようと何か妄想でもしようかと考える。

「四季ちゃんとお姉さんが仲が良いのは良く分かった。
 それと、仲が良いのは悪くないけど…」
(シスコン。姉離れしろ。って言いたいのかな?)

いや!?
分かった!!

「もしかして、姉との結婚が決まったとかですか?」

途端に振り返り、目を見開き、眉間に皺を寄せた表情の姉の彼氏に
「どこから、その発想にたどり着いたの?」
と呆れた表情で言われた。

「普通の発想かと……。」

「全く、これだから」とまたもや呆れながら軽くため息をつかれ、ズカズカと何処かへ向かっている。
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