2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
『とても綺麗に撮れてますね。お忙しいところすみません、ありがとうございます』


柊君がその写真を見て微笑みながらお礼を言った。
誰に対しても決して礼儀を忘れない、本当に優しい人。綺麗なのは顔だけじゃない。私は、柊君の性格も大好きなんだ。


私達は、本当に幸せだった――


こんな風に日記に目を通し始めると、ついつい夢中になって何時間も経ってしまう。
柊君との嬉しい出来事がたくさんあり過ぎて、大切な思い出が、私の中に溢れ出してしまうんだ。


でも、もう止めておこう。
私は、ノートをそっと棚に戻した。


今日は、仕事が休みで、お昼から親友の真奈と会う約束をしている。
真奈は、柊君の会社で働く私の同期。
同じ部署だし、入社してからずっと仲がいい。年齢が同じってだけじゃなくて、映画や音楽の趣味も合う、一緒にいてとてもラクな友達。


私は、洋服を着替え、部屋を出て待ち合わせの場所に向かった。
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