2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「俺は、柚葉1人だけを愛する自信がある。柊が、本当に柚葉を好きなら……頼む、見守ってやってくれ。この先、俺が絶対に柚葉を守るから」


樹……


「……そうだね。柚葉を……幸せにしてあげて。柚葉、樹はいいやつだよ。いっぱい幸せにしてもらうといいよ。じゃあね、本当に、さよなら」


柊君は、そう言ってリビングを出ていった。
肩を落とす柊君の後ろ姿が、とても切なく見えて、すごくつらかった。


さよなら、私の大好きだった人……


ありがとう……


「下まで送ってくる」


樹は、柊君を見送りに後を追いかけた。


そして、20分くらい経った頃、部屋に戻ってきた。


「大丈夫?」


「ああ。柊はもう大丈夫だ。俺が話したせいで柊を混乱させてしまった。それは申し訳ないと思うけど、やっぱり俺達が柊の近くにいることは、柊にとって良くないことなんだ」


「……うん、そうだね。でも、樹は、毎日柊君と一緒だもんね」


「ああ、だから今、柊に言った。ISを辞めるって」


「え!? どうして? そんなことしたら……」
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