2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
『うん。今日は、本当にありがとう。すごく楽しかった…樹さんも、ありがとうございました』


私は車の後部座席に座ったままの樹さんにも、頭を下げてお礼を言った。


『ああ』


え?それだけ?


ちょっと…あっさりし過ぎてて、寂しい。


さっきまで一緒に食事してたのに…


『じゃあ、行くね。柚葉おやすみ』


柊君は、そう言って車を出した。


手を振って見送る私。


笑顔の柊君に対して、樹さんはやっぱり私を全く見ない。


『同じ顔なのに、全然違う』


思わず本音が口から出てしまった。


樹さんも、柊君と同じで超がつくほどのイケメンだ。


もっと愛想よくしたら、絶対、素敵なのに…


見た目の柊君との違いは、髪型くらい…かな。


柊君は少し茶色がかってて、樹さんはブラウンアッシュでパーマ。


樹さんの方がオシャレ感はかなり高いけど、やっぱり柊君の方が爽やかで好感が持てる。
< 53 / 264 >

この作品をシェア

pagetop