お前の隣は俺だけのもの。
「名前で呼び合っているんです?」



凛ちゃんは相変わらず優しい笑みを浮かべているけれど、声のトーンがいつもと違う。



「えーと」



戸惑う私。

なんと答えるのがいいのか、頭をフル回転さあせる。

同居や関係性のことなんて、凛ちゃんでも話すことが出来ない。


だから、凛ちゃんには申し訳ないけど。



「あっ! ちょっと急ぐから先に行くね! また学校で!」



私はそう言ってレジへと向かった。



「……はい」



凛ちゃんの呟いた言葉までは聞き取ることができなかった。
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