お前の隣は俺だけのもの。
「陽菜。……俺の彼女になって?」

「私を彼女にしてください……っ」



完全に涙腺崩壊。

こんなにも、温かい気持ちになれるのか。

涙が止まらない私に、意地悪く笑う碧。



「泣き虫」

「だって……っ」



顔を上げれば、碧は私の涙を拭ってくれた。

大好きなその手で。



「碧。大好きっ」

「……俺も」



私たちは視線を絡ませ、笑い合った。

碧の太陽みたいな笑顔。

この笑顔を見られるのは、“彼女”の特権だと思っていいよね?



「あー。授業、サボりたい」



碧が私を抱きしめながら呟く。



「なんで?」



碧が授業をサボりたいとか言うなんて珍しい。

呟く碧に笑いがこぼれる私。



「陽菜を抱きしめていたいから」

「えっ」

「ダメなの?」



ダメっていうか。

ダメじゃないけど。

思ってもいなかった答えに、ドキドキする。

ドキドキして。

ドキドキしすぎるから。



「授業サボっちゃダメ!」



なんて言ってしまう。

私の照れ隠しに碧は笑う。
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