お前の隣は俺だけのもの。
教室に戻ったら、碧はクラスメイトの女の子たちに囲まれていた。

私、席に座れないんですけど。

それに、碧を囲む女子たちにイライラする。


……嫉妬。


朝から、嫌なことばかり続いている気がする。

だけど、嫌がらせを受けています、なんて相談できないし。

心配かけちゃうから。


私は再び、教室から抜け出した。

行く宛てもなく、廊下を歩く。


休み時間。

廊下には人があふれかえっている。

その中を歩く私に好奇の目が寄せられていることぐらい分かっている。

だけど、いちいち気にしていられないから……。



「ねえ」



私は私で、堂々としていよう。

心の中でこぶしを握る。



「聞いてんのかよっ!」



肩を思い切りつかまれたと思った瞬間、突き飛ばされた。
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