お前の隣は俺だけのもの。
廊下に派手に手をついてしまった私。

手首が痛い。



「あんたさ、九条くんと付き合っているわけ?」



顔を上げれば、見たことのない女子集団が私を睨んでいた。



「付き合ってないです」

「は? 嘘つくなよ」



いやいや。

付き合っているのか聞いておいて、嘘つくなって言うのは、おかしいと思う。

最初から私と碧が付き合っている前提で話を進めているじゃん。



「調子乗ってんじゃねぇよっ!」



廊下に、女子集団のボスらしき人の声が響き渡る。

ビクッとする私。

それは私だけじゃなく、ボスを取り巻いている人までも驚いていた。



「もう、いいわ。あんたは話にならない」



ボスがどこかへ電話をかけはじめた。


話にならないってどういうこと。

私には、あなたの話が分かりませんが。

しかも、このタイミングで電話をかけるってどういうこと。


ボスが電話を切る。



「痛い目、見るといいわ」



その瞬間。

私の両腕は誰かによって引っ張られた。


次はなに!?

振り返れば、見たことのない男3人組。

さっきから、知らない人ばかりじゃん。

なんで、私はこんなに絡まれているの。



「おーっ? 思ったより、かわいい子じゃん!」

「楽しめそうだなっ」



男たちが不気味に笑う。



「離してよっ」



私は男たちを振り払おうと必死になるけれど、まったく効果はない。

これが、男と女の力の差なの!?
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