Galaxy☆Quintet 〜優等生女子がバンドを始めた話〜【連載中】
そもそも巷でお嬢様学校と謳われているこの学校に私が入学したのは、つまるところ高学歴を持つ両親からの強制だ。
大学の教授をしているお父さんは、一人娘の私をいたく大切にしていた。
ただそのベクトルが万人とはズレているのだ。

学業こそが全てだと勘違いしていて、とにかくテストでは常に満点を目指し、順位表の一位の欄には自分の名前を刻めと口うるさかった。
だから私はその期待に応えるべく必死に努力をした。
それを小学生の頃から強要されてきたものだから、私の脳はすっかり呑み込みの良い出来になっていて、今となっては授業で一度聞いた話は忘れないほどまでに進化している。

お陰で学年では常に一番だから、これにはお父さんも満足してくれているようだった。
私自身もそれなりの達成感があったし、両親の期待に応えてあげられることは本望だ。

だけど、どこか味気なくて窮屈だと感じる日常に、少しだけ嫌気がさしていたというのは、誰にも言えない私だけの秘密。
……そう、一年前までは。
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