どうしたら人を愛せますか
ため息
7.ため息

俺は、早瀬馨(はやせ かおる)
一応、47才バツイチ男

若いときに仕事に没頭して、奥さんをないがしろにして、捨てられた。

子供もいなかったし、
朝早くから、遅くまで、休日返上してまで働いていたのだから、捨てられてもしょうがない。

自業自得なことはわかってた。

それから、彼女はつくったものの、かまってほしいだの。結婚したいだの。
一緒に住みたいだの、
同じ過ちを繰り返したくないと思ってはいるが、そのたびに、逃げ切らない態度に女は俺のもとから去っていった。

それを繰り返し、一生独身でいよう。
老後はお金をためて、老人ホームで、過ごせばいい。
今がよければそれで、よかった。

昨日、俺が気に入ってるバーにいくと、
マスターに絡んでる酔っぱらいの女がいた。

一番こういう女が苦手た。関わりたくない。

でも、マスターが
俺に話をふってきたもんだから。成り行きで話をした。

話を聞くうちに、顔はまぁまぁ悪くはないけど、巨乳だ。
そりゃあ、体求めてきても当然だろと思っていた。

俺はこの年になり、彼女がいたとしても、1、2回は抱くが、仕事が忙しくなるとないがしろにしてきたのは事実。

そりゃあ、去っていくよな。1人過去を振り返り話を聞いていた。

根本的に、この子には、癒しがないだけだろ。
人の腕に抱き締められて安心したいだけ。

可愛そうにも見えてきていた。

話してる分には面白い。
話しながら、俺のグラスのハイボールも飲み干してしまう始末だ。

閉店時間になり、彼女を送ってあげようと思ったが。タクシーに乗った瞬間に爆睡。
話すらできない状態。
仕方ないから家に持ち帰ったが、歩けないし、俺は、彼女でもない女を担いで家に入った。ベットに寝かせてやろうとしたら、一緒に倒れてしまった。
そこから、抱きついたまま離れない離れない。
一応俺も男だから、
しかも、若くて、体つきもいい女を目の前に理性を必死に押さえた。

でも、この女は抱きつきながら涙がこぼれていた。
散々愚痴をいってたが、一応我慢してたんだ。

俺はそのまま、同じベットで抱き締めて寝た。
久しぶりに、熟睡できた。
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