小説「グレイなる一族」
私は、「ノリス」の声に同調すると終わりが何処にあるかさえわからない戦いに戻っていった。

「ガイア戦争」・・それはガイア国の前国王である「アロン王」が声に出した政策が発端となって、戦火の日が始まったのだ、前国王の「アロン王」は、何処の国よりも自国の幸せを願うあまり、国の税制を下げ軍隊を解体し、何処の国の人であろうと自国に移り住みたいのなら移り住んでも良いと言うお触れを出したのだ。このお触れは誰もが理想の国家だと信じ、時と共にガイア国への周りの国から移住が始まると、移住されてしまった国は移住された人の分だけ税収が下がり、これを良しとはしない隣国「バルト国」が近隣の国々と連合し、「ガイア国」へのあらゆる公益ルートを閉ざし「アロン王」を抹殺する為にありとあらゆる手段を用いた。「アロン王」は、「バルト国」を中心とした連合から放たれて刺客により毒殺されると、「アロン王」の血を宿すのは王女の「ラーマ・グラ」一人だけとなり、「ガイア国」は「アロン国王」を失った嘆きが国中を支配し、その民衆の嘆きが王女「ラーマ・グラ」を女王へと押し上げ、町に「アロン国王」によって封印されていた武器庫の扉は、開けられまた「ガイア国」の民衆の手に武器がもたらされた。「女王ラーマ・グラ」は、出来るだけ亡き「アロン国王」の意思を守ろうとするため、最低限自分を守るための自衛権としての軍隊しか認めなかった事が優秀な戦士を多く保有する「ガイア国」の新たなる憂いになったのである。つまり攻めてくる敵を打ち払うことしか「女王ラーマ・グラ」は認めず、それがまた戦火の長期化をもたらし、「女王ラーマ・グラ」の大いなる悩みになったのである。

ノリス「どうしたんだ・戦場でボーとするなんて君らしくない・・」

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