小説「グレイなる一族」
その日「グランマ」は、ホームセンターに行き檻を購入してきた。
その檻の半分はトイレでもう半分はベットになってiいて洗面所に設置され、私は当分の間その檻から自ら出る事はなかったのである。まだ私には新しい住人達が怖くてたまらないのである。

私は、「一番絞りの水」さえも我慢しながらずっとその檻の中で生活していた。
それで分かったのは、どうやら前の住人達が私に与えてくれてた食事は続けて日に三度もらえるらしいこと毎朝一度私のトイレを「グランマ」がちゃんと掃除してくれる事、突然またどっかに捨てられてしまう事はどうも無いような気がするのだ。

私の檻には、毎日「セバスチャン」や「グランマ」「アーノルド」らが顔を出してくれて、次第に頑なだった私の心にもひびが入りそれは、絶対の安心感に変って行くのだった・・「グランマ」は最初から「グレイ語」が使えた為、私の好物のカツオ節や「一番絞りの水」の事を直ぐに理解してくれたのだ。「グランマ」が私から、一を聞いて「セバスチャン」や「アーノルド」達は私の事を学習していくのである。私は、次第にこの新しい住人達が
自分に無害な存在だと知ると、この檻をホームキャンプとして、「グレイランド」の隅々を冒険して回ったのだ・・私は由緒正しき賢明な頭脳を持っている為、ちょっとでもおかしな音がすれば・・直ちにホームキャンプに走って戻る習慣を身に付けた・・

そんな日々が流れてゆく中で、私は「グランマ」と一緒に就寝するぐらい仲がよくなった
のである、私の身体を「グランマ」の優しい温もりが包みそして眠るそんな事が当たり前
になると、もはやホームキャンプはただのトイレでしかなくなったのである。

「グランマ」の小言はまだ続いている・・
しかし、それは私に対する愛情だとも知っている。しかしどうせ「マロン」はいなくなったのである

私がこれ以上貫禄を身に付けるはずもないのだが・・

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