私があなたを殺してあげる
「あれ? 杏ちゃんどうしたの?」

「また、智明にお金を用意させるんですか?」

「えっ? 杏ちゃん、智明を知ってるの?」

「どうなんですか? 答えてください」

「ああ、うん。でも用意させるって言葉は適切じゃない。店にために用意する、あいつのためでもある」

「智明のため? 無理矢理に家業に引き止めておいて智明のため? 自分のための間違いじゃないんですか?」

「なに?」

浅尾さんはそれを聞いて少し表情を歪めた。


「それに息子が必死でお金を集めてるのに、父親は夜の店で遊んで、不倫相手とよろしくですか? いいご身分ですね?」

「不倫って何のことや? それに私は社長や、智明は社員。社員が動き回るのが当然やろ?」

「社員? 給料も払わず、病気や怪我しても働かせ、バイト料まで奪う、そんな社長がどこにいるんですか? ふざけないで! 父親として恥ずかしくないんですか、あなたは?」

「はぁ? あいつは俺の息子や、俺が生んで育てた、どう使おうが俺の勝手や。おまえには関係ないやろ!」


 浅尾さんの口調が急に変わった。これが本性なのか?



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