世界から性別が消えるまで
そんな状況になっても毒親である母は味方にはなってくれませんでした。
父は私の事をいつも一番に考えて味方になってくれるのですが、結局母に勝てる訳もなく私をなだめて「もうちょっと頑張ってみろ」と言うだけでした。

親戚で唯一味方になってくれる叔母に助けを求めて、母を説得してもらいました。

私は母と話したくない顔も見たくない関わりたくもないと拒絶していて2ヶ月程音信不通だったのでその時の母の様子は後から父や叔母に聞きました。

やっと母と面と向かって話をした時、母は泣いたんです。

「私は暴力振るわれてる事はまだ自分が我慢すればいいから頑張れる。けど、愛犬を虐待されるのは我慢が出来ん。虐待した時から私はあいつを許せないし、好きでもない。そして、もう1つ許せないのは…私の病気を知ってるのに周りに子供ができない事を誤魔化すとこ。はっきり言ってくれた方がまだましだった。あいつの親も頑張れば出来る!って簡単に言うけど、私は自分の体にリスク負わせてまで子供が欲しいとか思わない。愛犬がいればそれでいい。だから、私はあいつともあいつの家族とも意志も意見も合わない。自分が我慢ばっかするのは意味がわからん。」

と思いの丈をぶつけました。

だからなのか母は
「私が丈夫な体に産んであげなかったから、貴女の人生を踏みにじってしまった。お母さんのせいで女としての役目を果たせないって辛さを与えてしまってごめんなさい」
と言ったんです。
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