蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



 うちわに張り付いていた、
 闇のように漆黒な文字。



    『バイバイ』



 手を振るように、うちわを揺らし
 俺に背中を向けた心美は

 ファンをかき分けるように、
 出口に向かいだした。




 心美、待って!
 お願いだから!




 今すぐ心美を捕まえて、
 思いっきり抱きしめたい。



 大好きだって。

 勘違いして、嫉妬してごめんって。

 ずっと俺の隣にいてって、伝えたい。




 でも俺は。

 どんどん離れていく心美の背中を、
 ステージの上から
 見つめることしかできない。


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