蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



 ぼんやりと、綺月君の背中を
 見つめることしかできない私。

 
 その時、綺月君が
 心配そうな顔で振り返った。




「今、俺に
 『行かないで』って言った?」

 
「……うん」



 声にならないような、吐息声だったのに。

 ちゃんと、気づいてくれたんだ。



 たたそれだけのことなのに、
 嬉しく感じちゃうのはなぜかな?

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