天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
『救急です。脳外のドクター要請です』


 救急外来からこうした電話が入るときは、研修医の先生では対応できない重症例だ。


「倉田先生、救急からですが電話出られますか?」


 近くにいた陽貴さんに声をかけると、ついさっきまでふざけていた彼は表情を一転させ、鋭い目つきに変わり受話器を手にする。


「了解です。すぐに行きます」


 電話を切った彼は、すぐさまナースステーションを飛び出していった。

 そんな優秀な脳外科医である陽貴さんとの結婚が決まったのは、風花が舞う三月中旬の寒い日のことだった。


 ――難関国立大学の医学部を卒業し、脳外科医として活躍するハル兄に少しでも近づきたかった私は、看護師になり大学病院のオペ室でオペ看として働いていた。

< 11 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop