天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「天野(あまの)さん。下垂体腺腫のオペをした患者さんの髄液漏に気がついたんだって? すごいじゃない」


 主任に褒められている天野さんは、新卒でここに配属されたばかりの一番若いナースだ。まだまだ勉強中で、かなりしごかれている。


「ありがとうございます。もっと頑張ります」


 控えめに喜びを表したのは、私が近くにいるからだろう。

 昨日帰る間際に彼女が病室から出てきて、患者さんの鼻腔から出ているのが鼻汁なのか髄液なのかわからないと悩んでいた。

 周囲に先輩ナースがおらず私だけだったので、テステープでの検査をしてみてはと耳打ちした。

 髄液には糖が含まれるため、この試験紙で検査してブドウ糖が陽性になると髄液の可能性が高くなるのだ。

 その結果髄液漏の疑いが強くなり、ドクターに報告して診察してもらっていた。

< 34 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop