天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 私はドクターが病室に入っていくのを見届けて帰ってしまったのでその後どうなったのか知らなかったが、すぐさま感染予防の抗菌剤が投与されたんだとか。


 申し送りが終わると、天野さんが近寄ってきた。


「香月さん、昨日はありがとうございました。でも、どうしてあんなに詳しく知ってるんですか?」


 看護師だったのは秘密にしておきたいのに、余計な助言をしてしまった。
 でも、あのまま患者を放置したら感染症を引き起こして大変な事態に及んだかもしれない。


「たまたま読んだ医学雑誌に載ってたので」


 なんてあいまいに濁す。


「やっぱり勉強してるんですね。倉田先生が、香月さんは勉強熱心でナースと同等の知識があるから誰も聞く人がいないときは頼るといいとおっしゃってましたけど、本当なんですね」


 陽貴さんがそんなことを?


「あー、いえっ。期待しないで」

< 35 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop