天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 病院から出ると危険が倍増する。
 なんとか院内で捕まえたい。


「天野さん! しっかりして。ナースは患者さんを守るのが仕事でしょ? 反省はあとでいくらでもできるから、今はとにかく品川さんの安全確保をしなくちゃ」


 唖然としている天野さんに、少し大きな声を出した。


 偉そうな言い方だったかもしれない。
 けれども、今一番大切なのは品川さんの身の安全だ。


「ごめんなさい。玄関に行ってみます」
「なにかあったら病棟に連絡をお願いします」
「はい」


 ようやく覚醒したような彼女と一緒にエレベーターに乗り込んだ。

 一階で別れて私は北玄関に向かったが、品川さんの姿はない。
 玄関に立っている守衛さんにも確認したけれど、わからないという返事だった。

 そもそもこの病院の規模は大きく、患者さんやお見舞いの人の出入りはとんでもない数になる。
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