【完】セカンドマリッジライフ
賑やかなたこ焼きパーティーが始まって、雪乃は家族に囲まれていつもより少しだけおすましをしていたけれど楽しそうだった。
雪乃の母親に泊まっていけと引き止められたが、夜から予定が入っていたのでそれは断った。 そして秋月家を後にした。
こうやって雪乃と離れた夜を過ごしたのは、結婚して二度目だ。 札幌の出張に行った時と、今回。 そうやって離れて見る事によって更に彼女が隣に居て欲しい存在だと再確認する。
―――――
東京には互いの両親への挨拶と、そしてもう一つ目的があった。
六本木の華やかな繁華街を少し外れた路地裏の小さなバーで祖父である定一と待ち合わせしていた。
家族の顔合わせの場には一切顔を見せずに、馴染みのバーに呼び出すのはこの人らしい。 しかしそこには祖父以外にも思ってもいなかった客人がいたのだ。
「どうしてここに居る?!?!?!」
祖父である定一は歳の割にはファンキーなじーさんで昔っからアグレッシブな男であった。
今日も原色のスーツに身をまとい、長く伸ばした白髪の長髪に長い髭。 夜だというのにでっかいサングラスをしている。