【完】セカンドマリッジライフ
それを聞いて、ついつい心がほっこりとしてしまった。
定一さんの言った通り、利久さんは不愛想で人間嫌いかもしれないけれどきっと根は優しい人だ。
そして彼に引き取られた子達は幸せだろう。
「優しいんだぁー利久さん」
「はぁ?何が優しいもんか。
…うちは動物病院だ。何かあれば適切な治療が出来る。
これ以上増えるのは敵わんがな…」
彼のぶっきらぼうな言葉にくすりと笑みが落ちる。
私の旦那さんになった人は、不愛想で口が悪いけれど実は優しい人だ。
だから初めて出会った時から一緒に暮らすまで、何故か不思議と不安は少しもなかった。私が超楽観的な性格というせいもあるのだろうが…。
お互いの事は全然知らない。恋愛する気もない。形だけの夫婦という契約上の関係。
こうして雪の降り注ぐ二月の寒い夜
私達の共同生活はスタートしていった。