【完】セカンドマリッジライフ
「うん。心が綺麗。 人間は欲があるからね。」
「フン、あいつらにだって欲はあるぞ。 ご飯よこせだの、散歩に行きたいだの。一緒に居て欲しい、遊んで欲しい。素直な分実は人間より欲深いんじゃねぇか」
「あらあ、その欲は綺麗なんですよぉ。 少なくとも動物は誰かを貶めたりする欲求は持っていませんから…」
私は23歳にしては人間の汚い部分を見続けてきた方だと思う。
私利私欲の為に私に近づいて来た人間。 そして用なしになればすぐに切り捨てられる。
だけど私もそんな欲深い人間と同じ人間なのだ。 それは少し悲しい。
「まあ、言いたい事は分かる。 ちなみに黒猫がイチで、白が二、茶色がサンだ。 これ拾った順番な?」
「あはは~、それってもしかして数字?!名前手抜きすぎやしませんか?!」
「名前なんぞ何でも良い。どれもこれも問題のある猫たちばかりだ。
うちは動物病院だが犬猫の駆け込み寺みたいになっていてな。野良猫や捨てられた子猫を連れて来る奴がいっぱいいるんだ。
面倒を最後まで見切れねぇなら飼うな増殖させるなと言いたくはなるがな。
最近はペットブームつーもんもあって子猫は大抵引き取り手がすぐ見つかる。
うちにいる猫たちは引き取り手が見つからず大きくなりすぎた奴や、生まれつき心臓に欠陥があったり病気を持っている奴らばかりだ」