【完】セカンドマリッジライフ

どうやって祖父にそそのかされたのかは知らないが、こんな田舎には似つかわしくない女がやってきたものだと思った。

すぐに根を上げて東京に帰るものなのだとばかり思っていた。 しかし予想に反して彼女は北海道での生活が毎日楽しそうで、仕事も頑張ってくれていて病院にやって来る人々にすぐに好かれた。

あっという間に人気者になっていく。

「利久さん、この間のジンギスカン屋さん美味しかったよねぇ~!またすぐに食べたくなっちゃう!
それにデートみたいですっごく楽しかった!久々にショッピングも出来たし!」

「ああ…まあな…。 もうすっかり雪も溶けてきた。 これからは行ける場所も増えると思う」

朝ご飯のオムレツを作りながら自然に自分から出た言葉に、自分自身が一番びっくりしている。

「私今度牧場とかに行って見たいなあ。生まれて一度も行った事ないんだもの~」

「それなら知り合いの牧場にポニーを預かってもらっている。 今度の休みに行くか?」

「えぇー?!ポニー?!って馬?!  利久さんが飼っているの?!」

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