【完】セカンドマリッジライフ

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翌日ゆなちゃんのお母さんから連絡が入った。
「今からペット霊園に行ってポテトを火葬してくる」と。

午前の診療を終えて午後の中休みを使って利久さんとお花屋さんに行った。

青を中心とした華やかな花束を作ってもらって、ゆなちゃんの家に届けにいった。 花束を受け取ったゆなちゃんは利久さんに抱き着いてまた泣き出してしまったけれど、せんせぇ嫌いって言ってごめんなさい。と謝った。

その姿を見て、涙が止まらなかった。 利久さんと私はポテトの遺骨に手を合わせて、ゆなちゃんの家を後にする。 その後も利久さんは午後の診療を終えて、やっと一息ついた頃疲れたようにソファーに寄りかかる。

「利久さん、今日は休んでて。 昨日から疲れたでしょう?
お昼にスーパーでお惣菜を買って来たので!」

こんな時でも手作りの料理は作ってあげられない自分にうんざりする。 けれど頭を抱えていた利久さんは深いため息を落とした。

「気を使わせてすまない…」

「いえ、私は全然…!…利久さん、大丈夫ですか?」

私は知っていた。利久さんが昨日眠れなかった事を。 今日の診療中も気丈に振舞っていたけれど、絶対に辛かったはずだ。

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