俺様幼馴染は素直になれない!

その時、同じクラスの一樹が声をかけてきた。

「よっ!元気してる」

「……」

俺は黙って、外を眺めていた。

「ねぇ?ねぇ?おーい」

一樹は俺の顔に近くに来て、真正面で手を振って、話しかけてくる。

俺は椅子から立ち上がり、一樹を無視してどこかに去った。

もう話しかけてこないと思いきや、一樹はまた俺が外を眺めている時に話しかけてきた。

「ねぇ、また外を見てるけど、何見てるの?」

一樹は俺ではなく外の景色を見て、声を発した。

「…別に何もない」

俺は見ていた場所から目線を逸らした。

「…もしかして、幼馴染の結愛ちゃん。見てた?」

さっきの些細な行動を見ていたのか、一樹は机に両手をついて、素直に聞いてきた。

そんな返答を予想だにしなかったので、俺は目を丸くして、頬杖をつきながら一樹を見た。

その姿を見た一樹は

「プゥ。何その顔。図星なんだ、可愛いもんな。結愛ちゃん」

一樹は笑いながら、頭に両手を乗せて俺に言った。

「気安く名前で呼ぶんじゃねぇーよ」

俺は結愛と気安く名前を呼んだので、キレた。

すると、一樹は笑っていた。

「図星なんだ。ほんとお前面白いなあ。なに考えてるかわからないってうそだね。あはは」

「うるせぇよ。違うって言ったら違うから」

俺は一樹から顔を逸らして、頬杖をついて言った。

「はいはい。あ、今日用事ある?遊びにいこうよ」

一樹はヘラヘラと笑って、また俺の顔に近づき、誘ってきた。
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