俺様幼馴染は素直になれない!
「…こいつに会って、話する」
俺は目の前に上杉がいるかのように強く睨めつけてそう言うと、一樹は目を丸くしていた。
俺は睨みながらも持っていた一樹の携帯を投げようとガラッと窓を開けた。
「こいつと会ってだからって。現状は変わらない。一回落ちつけ。僕の携帯をぶん投げようとするな」
一樹はおいと言って立ち上がり、俺が一樹の携帯を持ち、投げようとしていたので止めた。
手を止められた俺は泣きそうになった。
結愛のこと好きになる奴なんか、いつか現れるとは思っていたがこんなに早くくるとは想像もしていなかった。
「……もう、どうしたらいいんだよ」
俺は床に顔をつけて、背骨のない動物のようにヘニョヘニョになって弱音を吐いた。
「ほんと、めんどくさいなあ。落ち込むのか怒るのかはっきりしろよな」
一樹はため息をついて、俺に言う。
「……うううっ」
俺は一人クッションを抱きしめて、唸った。
俺は一樹の言っていたことに反論できず、ただ唸ることしか出来なかった。
一樹は何も言わずに黙って、スマホを弄っていた。
俺は15分くらい、この状態だったが、なんとか持ち直して考えた。
ある結論に至る。
よし、あいつと会ったら嫉妬でおかしくなりそうだが、話をする。
決めた。
俺は決めたら、すぐに行動する方だ。
あいつが何を考えてるのかを確かめるんだ。
一樹の意見は聞かず、俺が思うことをする。
それを聞いた一樹は、瑠翔がいいならいいけど、あとは知らないからなあと言って、帰っていた。