俺様幼馴染は素直になれない!

屋上へ向かうと、晴れ渡る晴天だった。

「うーん、気持ちいい。晴れてんな」

一樹は両手を上にあげて、背筋を伸ばしていた。

「そうだな」

俺は返事をすると、一樹は横になって寝そべていた。

いつもより眩しく晴天で青が澄みきっていた。

「瑠翔。もうさっきのこと吐き出せば。我慢しないで」

一樹は俺の方向を向いて、笑って言う。

「…一樹。なんで俺負けたんだよ。あの上杉野郎が、勝ったから結愛と一日デート券取り上がって。うわ、俺だって結愛とデートしたことないのによ」

俺は座り込み、ただ子供のように泣いた。

「はいはい。仕方ないでしょう。上杉、腕相撲大会で優勝したことあるんだから」

一樹は横になって、空を見上げていた。

「…え?優勝?」

俺は言葉を失った。
その事実に驚いた。

「知らなかったのか。そう。あの顔なのに、強いから。みんなギャップ萌えしてるらしい」

一樹はズボンのポケットからガムを取り出して、口の中に入れていた。

< 52 / 118 >

この作品をシェア

pagetop