俺様幼馴染は素直になれない!
屋上へ向かうと、晴れ渡る晴天だった。
「うーん、気持ちいい。晴れてんな」
一樹は両手を上にあげて、背筋を伸ばしていた。
「そうだな」
俺は返事をすると、一樹は横になって寝そべていた。
いつもより眩しく晴天で青が澄みきっていた。
「瑠翔。もうさっきのこと吐き出せば。我慢しないで」
一樹は俺の方向を向いて、笑って言う。
「…一樹。なんで俺負けたんだよ。あの上杉野郎が、勝ったから結愛と一日デート券取り上がって。うわ、俺だって結愛とデートしたことないのによ」
俺は座り込み、ただ子供のように泣いた。
「はいはい。仕方ないでしょう。上杉、腕相撲大会で優勝したことあるんだから」
一樹は横になって、空を見上げていた。
「…え?優勝?」
俺は言葉を失った。
その事実に驚いた。
「知らなかったのか。そう。あの顔なのに、強いから。みんなギャップ萌えしてるらしい」
一樹はズボンのポケットからガムを取り出して、口の中に入れていた。