俺様幼馴染は素直になれない!


「なに、俺の話で盛り上がってるんだよ」

俺は部屋のドアを閉めて、一樹を部屋の中に入れた。

「いや、面白いお母さんだね。毎回、瑠翔の話聞けるしね」

一樹は笑いながら、俺に言う。

「こっちは面白くても何もないわ」

右腕を腰に当て、一樹に真正面に向き合う。

「…まぁ、そうだよね。んで、結愛ちゃんに連絡したの」

 一樹は床に座って、あぐらをかいてから俺に言い放つ。

「してない」

 俺も座り込んで、一樹に言う。

「なんでしないの。気になるなら連絡しなよ」
 
一樹は目を丸くして、驚いていた。

「出来るわけがない。今まで結愛に連絡したことがないし」

俺は結愛に一度も連絡したことがないのだ。

幼馴染で一番傍にいるせいか、連絡しなくても直接本人に言えるから。

ほんとは毎日のように連絡して、繋がりたい。

どうしても俺様が心の中から出てきて、一文も送れないのだ。

「連絡したことがない!この一度も」

「ない」

「今までどう会ってたんだよ」

一樹はズボンのポケットから携帯を取り出した。

「一応、連絡先は知ってる。隣の家同士だし。会いたいときは結愛の家に遊びに行くし。特に問題はなかった」

俺はベッドに横になって、一樹に言う。

「だけど、今は問題が生じている」

一樹は横になっている俺のそばにきて、顔を伺っていた。
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