俺様幼馴染は素直になれない!
「からかってない。ニセ彼女頼んだのは結愛が俺を見ないから。見てほしくて……。あと俺様キャラを作ったのは、あの…あれだよ。幼稚園の時、人気者の男いただろ。あ、あいつ、好きって」
俺は左方向に目を逸らして、恥ずかしそうに言う。
今まで正直に結愛に伝えたのは初めてだった。
結愛はどんな反応するのか気になり、結愛をチラチラと見ていた。
「…あれは、あの時は確かに好きだったけど…ずっと好きなのは…」
結愛は口を膨らませて、小さい声でごにょごにょしていた。
好きなのは…いったい誰だ?
俺じゃないのか?
じゃあ、誰なんだよ。
「誰だよ。俺じゃない違う男か?誰なんだよ」
俺はお互いの鼻がくっつきそうになるくらい結愛の顔を近づけて聞いた。
俺から近づいたものの結愛との顔の近さに緊張で手汗がすごい。
うぉー、天使か。ここは。
可愛い、結愛が目の前にいる。
「…瑠翔、近いし、人もいるし…」
結愛は目を逸らして、顔を赤くしていた。
周りはあの人達付き合ってるのかな、お似合いだねと聞こえてきた。
照れているのか結愛は俺から目線を外した。
「…………誰なんだよ。結愛。おい、結愛」
俺は引き下がろうとしている結愛に腕をまた強く引っ張ってから、結愛の耳元で囁いた。
俺じゃないのか?結愛。
結愛は誰を好きになったのか。
俺じゃないの?誰なんだよ。
俺は結愛の言葉を聞きたいようで聞きたくなかった。
下を向いて、結愛の口が開くと俺は目を瞑った。
「……す、好きなのは…瑠翔だから」
真っ赤な顔をした結愛は俺に人生がひっくり返るくらいの言葉が……
え?本当に…
本当なのか…。
結愛から、そんな言葉が。
嘘みたいだ。
「ほんとうか?」
俺は目を見開いていた。
結愛は頷いていた。
信じられなかった。
結愛の言葉からそんなことが聞こえるなんて、思いも知らなかった。
「うん、本当」
結愛はえくぼを浮かべて俺に言い、微笑んでいた。
その言葉はほんとらしい。
ほんとなのか。
「…結愛、付き合おう」
俺は念願の言葉を結愛に言った。
「…うん」
結愛は返事をして、嬉しそうにしていた。
俺は目を丸くして、頭の中で花畑が開いたみたいにいろんな花が開いていた。
そのくらい、嬉しかった。
………やっと、やっと
やっとやっと結愛と付き合える。
一回死んでも、結愛とまた付き合いたいくらい好きだ。