俺様幼馴染は素直になれない!
永瀬瑠翔の葛藤


俺、永瀬瑠翔は、やっと結愛と付き合うようになった。

そんな折、俺は有頂天で舞いあがっていた。

「結愛と付き合うことができた…ふうー」

俺は一樹がボリボリと煎餅を食べている中、飛び跳ねていた。

「…テンション高いね。よかった、良かったね」

 一樹は煎餅の最後の一口にしてから、テンション低めのトーンで俺に返事をしてきた。

「なんだよ。一樹、なに興味なさそうに。結愛、買い物してる姿も可愛いんだよ。聞いてる?」

 俺は一樹にねぇねぇと肩を叩いて聞いた。

「…知ってるよ、何回も聞いたよ。そりゃ僕だってね、恋愛したいんですよ。だから、僕羨ましいの」

 一樹は俺を見て、羨ましそうな表情を浮かべていた。

「…そういうことかよ。いるでしょ。一樹、好きな人。…いるよな。結愛の友達・智子」

 俺は適当な返事をして、一樹の顔を見た。

 一樹に俺は指をさして言うと、一樹は俺に目を丸くして見ていた。

「…そうだけど。知ってたのか」
 
「知ってるも何も。一樹が言ってたでしょ。智子ちゃんって。嬉しそうにしてたし。初めて会った時からだしね」

俺は腕を組んで、うんうんと言って一樹を見ると顔を赤くしていた。

「……っ。うわっ、瑠翔に知られていたとは…うわぁ。なんか嫌だ」

 一樹は顔を両手で隠していた。
 
 余程、俺に知られたのが恥ずかしかったのだろう。

 恥ずかしそうにして、俺をずっと見てきた。

「…そうだよ。好きだよ。智子ちゃんのこと……でも、今は無理なんだよな」

ため息をついて一樹は、上を見上げていた。

「なんで」

「結愛ちゃんのことしか僕の時は話さないんだよ」
 
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