俺様幼馴染は素直になれない!

私は首を傾げて、瑠翔に聞いた。

私は、心の中で思った。

何言ってるの。

瑠翔は、私が都合いいからニセ彼女になってほしいってことだよね。

それしか、考えられない。

昔は、瑠翔は分かりやすかった。

何をしてほしいかとか
表情や行動で、なんとなく分かっていた。

大きくなるにつれて、前は満面の笑みで笑いかけていたのが、私に対してだけ冷たくなっていた。

今も何を考えてるかは分からない。

私は瑠翔に片思いしてる。
けど、ニセ彼女になったら、都合がいい女になる。

真正面に向き合っていた私は瑠翔を見て、思う。

だけど、私が断っても瑠翔はどんな手を使ってもニセ彼女をやらせる。

仮に誰かがやったとしても、ニセ彼女役だって分かってるから、どんな気持ちになる?

嫌な気分だ。いやだ、嫌に決まってる。

「…わかったよ。やるよ」

私は意を決して、瑠翔に下を向いて言う。
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